悪魔の証明と住宅診断

「住宅診断」とは、目視および検査機器を用いて、建物に不具合がないかどうか調査診断することです。
さて、本日は、ちょっと怖いタイトルを付けてしまいました。「悪魔の証明」とは、法律的な比喩表現となっているようですが「あることが無い」ということを証明するのは「在る」ことを証明するよりもはるかに難しい、という意味です。インターネットで調べると、有名な例で、「アイルランドに蛇はいる」ということを証明するとしたら、アイルランドで蛇を一匹捕まえて来ればよいが、「アイルランドに蛇はいない」ということの証明はアイルランド全土を探査しなくてはならないので非常に困難、事実上不可能であるというような場合、これを悪魔の証明という。とのことです。
これは、住宅診断にも言えることなんですね。この建物に傷は一つも「無い」か「在るか」と言った場合、一か所の傷さえ見つかれば、傷が「在る」ことを証明できますが、「無い」ことを証明するためには完璧に確認しないと証明できませんね。
ここの部分が、一番重要だと思うんです。お客様は、白・黒とハッキリとした意見をプロに求めます。あたりまえですよね。しかしですね、そう簡単に「問題ありません!」とは言えないのも、住宅診断の難しさなんです。私が思うにですね、ここの部分は、経験以外にないと思う訳です。いくら机上で勉強しても二つとして同じ現場は無いわけで、こちらも、初めて拝見する建物ということなんです。
私は、2004年(平成16年)から、この住宅診断・建物調査のお仕事を始めたわけですが、当時ご指導頂いた方は、既に70歳になられ、今は他界されています。大変厳しい「おやじ」でしたね。グズグズしていると、打診棒で叩かれましたよ 笑。
今、私が住宅診断をサービスの柱としてお客様に提供できるのも、「悪魔の証明」を乗り越えてきたという自信というか、経験というか、そういうものが心にあるからなんですね。見よう見まねで出来るお仕事ではないんですね。
当時の仲間は沢山おりまして、私も若かったですが、後輩というか、ただ単に順番で古株というか、そんなことになりまして、仲間の皆さんの建物調査報告書を、最終チェックして、お客様にお送りするということもやっておりました。新人さんですと、いくら、建築士でも、少し分野が違うので、東西南北を間違ったり、報告書ですから、文章そのものに矛盾があったりで、なかなか大変なんですね。
みなさん優秀な方ばかりですから、ご自分の頭の中では分かっておられるのですが、それを、報告書という形にする、これが大変なわけです。住宅診断・建物調査の「商品」とは「報告書」なんですね。実際「異常ありません!」と言い切りの形は、だんだんプレッシャーがかかってくるわけです。不具合箇所を見落として、お客様からご指摘を受けたりしたばあい、インスペクター(診断士)も、そうとうショックなんですよ。心のケアも大切ですね。みんな仲間ですからね。
報告書が回り巡って、物件を売って買ってを重ねて、ぜんぜん知らない方から、お電話を頂いたこともありましたね。住宅診断の申込時に利用規約というか確認書というもので、ご質問にお答えするのは「申込者のお客様だけ」という条件で住宅診断・建物調査をお受けするわけですが、報告書だけが独り歩きすることがありうるわけです。
「悪魔の証明」ではありませんが、これは想像以上に大変なことで、「不具合箇所の見落とし」とか「報告書の独り歩きとか」いろいろ経験していきますと、良い意味で「慎重になる」わけです。みんな色々経験して、辛酸を嘗めて、立派なインスペクター(診断士)に育つということなんですね。あっ、思い出しました。私は調査中にクローゼットの枕棚を、ぶち壊したことが一度だけありました。私は体重があるので、ぶち壊してしまったわけです。もちろん弁償しました。やはり、その前とその後では、心持が違ってくるんですね。良い意味で「慎重になります」
今回は、怖いタイトルで恐縮です。そんなこんなで、住宅診断ゃってます。今後とも、よろしくお願いします。
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